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「九州の技術」や「九州の頑張る企業」「栗野的視点」などを収録 ジャーナリスト栗野の辛口コラム~栗野的視点 ジャーナリスト、経営コンサルタント、コーディネーターとして活動しながら、中小企業の経営に関する講演も数多くこなす栗野が独自の視点で経済や経営、社会問題を論評 栗野的風景 写真と文で綴るフォトエッセイ。主に花の写真が多い。 最新のトラックバック
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妻の髪を洗う。
2005年 02月 24日
「お前は奥さんがいなければ3日も生きられない。大事にしなければ罰が当たるぞ」
学生時代の友達からよくそう言われていました。 それぐらい何も家のことをしたことがなかったからです。 自分が食べるインスタントラーメンでさえ作ったことがなかったほどですから、妻を入浴させ身体を洗ってやるなどということは考えたこともありません。 妻にしてもまさか私にそんなことをしてもらうなんて想像したこともなかったと思います。 そんな亭主関白を地で行っていたような私がある日、妻の頭を洗ってやろうと思いたったのです。 秋の天気がいい日の午後でした。 「頭を洗ってやろうか」 「うん、うれしい。頭が洗いたかったんだ」 妻はうれしそうな顔をしました。 その頃は腰が曲がり、自分一人では身体も洗えなくなりつつあり、1、2度母と一緒に入浴して洗ってもらっていました。 私自身がそうですが、頭が痒いと結構イライラするものです。 イライラすれば考えもマイナスの方向に向かいます。 根本解決にはなりませんが、身体が軽くなれば少しは気分もスッキリして明るくなるのではないか。 そう思ったからです。 それから浴槽に暖房器具を持ち込み、隙間に目張りをし、妻を連れて行きました。 入浴は疲れすぎるのでシャワーだけです。 お湯を出しっぱなしにして、浴槽内を湯気で一杯にしながら妻の身体を洗ってやるのです。 恥ずかしい話ですが、妻の身体を洗ってやったのはこの時が初めてです。 痩せた身体を見ると涙が出そうになりました。 身体の次は頭です。 シャンプーを一杯付けて丁寧に洗ってやります。 頭を洗うのは上手というと変ですが、いつも床屋でこういう風に洗ってくれないかなとか、痒いところはそこではなく、ここだ、どうしてそこをすぐ通り過ぎるんだなどと感じていたので、自分がして欲しいことをしてやりましたから、総じてよかったはずです。 「気持ちよかった。すっきりした。本当は頭を洗って欲しかったの。でも、あなたに洗ってと言い出せなくて」 妻はそう言って喜んでくれました。 ちょっと照れくさい気分です。 でも、気分は複雑です。 頭を洗うことぐらいでそんなに喜んでくれるということは、それぐらい私は妻に何もしてなかったということですから。 こんなことなら、もっと早くいろんなことをしておけばよかった。 またしても反省です。 それでも互いの心が一歩近付いた気がしました。
by kurino30
| 2005-02-24 18:29
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