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「九州の技術」や「九州の頑張る企業」「栗野的視点」などを収録 ジャーナリスト栗野の辛口コラム~栗野的視点 ジャーナリスト、経営コンサルタント、コーディネーターとして活動しながら、中小企業の経営に関する講演も数多くこなす栗野が独自の視点で経済や経営、社会問題を論評 栗野的風景 写真と文で綴るフォトエッセイ。主に花の写真が多い。 最新のトラックバック
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別人に思われる。
2006年 02月 01日
何分大人になって初めての手術ということもあり、何もかもが興味津々でしたが、ただ一つ残念だったのは30歳の時から生やしているヒゲを剃り落としたことです。
「ごめんなさい。言い忘れたんですが、手術室に入る前にヒゲも剃ってもらうことになっているんです」 やってきたナースが気の毒そうな顔をしてこう通告しました。 「えっ、ヒゲも剃るの。ヒゲは関係ないんじゃないの」 「ええ、そう思うんですけど、手術室に入る時には腕時計や指輪もはずしてもらっていますから」 何となく釈然としませんでした。というのも、先ほど剃られた下の毛はメスを入れる側だけで、反対側の毛は剃られてなかったからです。右と左がアンバランスで、なんとなく中途半端です。剃るならそちらの方を全部きちんと剃るべきではないか。そう思いました。しかし、手術室に雑菌を持ち込ませないということなのだろうと思い、それ以上抗わず、洗面場に行き、思い切って「えい、やっ」とヒゲを剃りました。 ところが、長いこと剃ったことがなかったので、カミソリで当たると肌がカミソリ負けを起こしそうで、ヒリヒリ。ヒゲを剃る悲しさより痛みで涙が出そうになりました。 剃り終わって鏡を見ると、そこにいたのは別人でした。 (なんとも間が抜けた顔だな・・・) とても自分の顔とは思えなかったし、こんな顔は他人には見せられない。見舞いを断っていてよかった、と思ったものです。 自分で見まがうほどですから他人が見まがうのは当たり前で、主治医が病室に来た時は私の名前を二度も呼びました。私が返事をしているのにベッドを間違えたのかという顔をして立っていました。 私が「ヒゲまで剃らされましたよ」と言って初めて納得したみたいで、「ああ、それでですね。なにか最初見た時と印象が違うなと思っていました」と笑っていました。 続いてやってきた薬剤師も妙な顔をしていたので「ヒゲも剃れといわれたよ」と言うと、「そうでしょ。前と印象が違いますから別人かと思いました」だって。 「間が抜けた顔になったでしょ」 「ヒゲがない方が若く見えますよ」 いくら褒められても自分で見慣れないこともあり、あまり好きにはなれませんでした。 退院までには少し生えるだろう。 そう思うのがやっとでした。
by kurino30
| 2006-02-01 00:28
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