病気と医療について考える~栗野的通信
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ガンで旅だった妻への挽歌と、病気と医療についての考察。
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妻を車中に置き忘れる。
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 いつか一緒に中国を旅したい。
ずっとそう思っていました。
妻も中国に行ってみたいと言っていました。
それがこんな形で連れて行くことになろうとは思いもしませんでした。
 妻は私のよき理解者でした。
よき理解者すぎたのかもしれません。
「たまには私も連れて行ってよ」
もし、そう言っていたら
「今更おまえと2人で行ってもおもしろくはないだろう」
などと皮肉りながらも、内心は喜んで一緒に行ったと思います。
 しかし、妻はそこまで甘えることもしなかったし、私も強引に誘いはしなかった。
その結果、私は都合4回も中国に行っているのに、一度も妻と連れだって行ったことがありません。
でも、これからはどこに行くにも連れて行ってやろうと思っています。

 こうして、私はリュックサックの中に妻の遺骨を納めた小さな器を入れ、上海に行きました。
「ほら見えるかい。あれが上海だよ」と話しかけながら。
 ところが、浦東空港からリニアモーターカーに乗り、時速430kmの世界最速をビデオ撮影したりして楽しんでいるうちに網棚にリュックを忘れてリニアモーターカーから降りてしまいました。
 ところが、リュックがないことに気づいたのは、その後地下鉄に乗って人民広場駅で下車した時でした。

 なんという迂闊。
自慢ではないけれど私は傘でさえどこかへ置き忘れたことがないのです。
それなのに初めて妻と一緒に旅した外国で、妻を置き去りにしてくるなんて・・・。
もし、このまま妻が見つからなかったら、私一人帰るわけにはいかない・・・。
その時、心底そう思いました。

 中国で忘れ物をしたら出てこない。
ガイドブックにもそう書いてありました。
しかもリュックの中にはノートパソコンにデジカメ、デジタル録音機と、日本でさえ誰もが欲しがる物が一緒に入っていました。
まさに絶望的です。
出てくるはずがない。
そう考える方が当然です。
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by kurino30 | 2005-09-06 23:26 | Trackback | Comments(0)