病気と医療について考える~栗野的通信
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ガンで旅だった妻への挽歌と、病気と医療についての考察。
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2005年 11月 04日 ( 1 )
奇跡的に戻ってきた妻。
 「私はついているから絶対出てくるよ」
あまりにもしょげ返っている私を見かねて、友人がそう言って慰めてくれました。
ホテルに着くとすぐフロントで事情を話し、リニアモーターカーの駅に電話をしてもらいました。
しかし、返ってきた言葉は「もう時間外だから電話が通じない。明日朝9時に電話をしてみて下さい」でした。
それ以上努力してくれる素振りもなく、気の毒がっている様子さえないように見えました。

 「とにかく降りた駅までこれから行ってみよう。何とかなるよ」
もう営業時間は終わりで駅には誰もいないと言われましたが、私達はリニアモーターカーの終点、龍陽路駅まで行きました。
駅に着くまではリニアモーターカーの営業が5時で終わったなどという言葉は信じていませんでした。
だって、空港はまだ開いているし、5時以降に着く飛行機だってあるのです。5時以降に着いた客はどうするんだ、と思いました。
 しかし、駅に着いて納得です。
本当に駅は閉まっていましたというか、駅に上がるエスカレーターが止まり、入れなくなっていたのです。
そう教えてくれたのは近くにいた中国人でした。
彼に事情を話すと守衛室があるから、そこに行ってみたら、と場所を教えてくれました。

 こういう時に完全な中国語を話せる人間が側にいるのは本当に助かります。
もし中国人通訳なら、こちらの気持ちをうまく先方に伝えることができないでしょう。守衛(?)の人達は熱心に話を聞いてくれ、どこかに何度か電話をかけてくれました。
どうも彼らは友人を中国人と勘違いしたようでした。
それぐらい完全な中国語を話すのですが、外観も日本人には見られないようです。
そういうことも大きく影響し、場は笑いが絶えません。
1人困った顔をしているのは私だけでした。

 あまりにも和やかに話しているからなのか、段々人が集まってきました。
そのうち日本語を話せる人がやってきて、非常に親切に応対してくれましたが、結局その日のうちには忘れ物は発見されませんでした。
「まだ全車両が車庫に入ってないので、明日調べてみますから電話してください」
 彼はそう言って会社の電話番号と自分の携帯電話番号、さらには明日の担当者の名前と電話番号まで書いてくれました。
彼はJTBの現地社員だったのです。

 翌朝10時に電話をしてみました。
JTBの日本人女性は申し訳なさそうに「確認しているんですが、まだ分かりません。もう一度催促してみます」と言ってくれました。
「実は昨日は言ってなかったのですが、リュックの中には妻の遺骨も入っているんです」
 相手が日本人だったので、私はその時初めて遺骨のことを伝えました。
すると電話の向こうで相手が息を飲みました。
「それはお困りでしょう。なんとか探してみますから、もう少し待ってください」
 彼女はそう言ってくれました。
藁をもすがる気持ちというのはこういう時だと思いました。
実は私達はJTBの客でもなんでもないんです。それなのに昨日の中国人社員といい、今日の日本人女性社員といい、本当に親切に応対してくれました。
もちろん本当の感謝はリュックサックが見つかってからでしょう。
でも、旅先で親切にされると、本当に地獄で仏のような心境になります。
いわんやここは外国です。日本語が通じるだけでホッとします。

 12時までの間にホテルの私の部屋に数度電話がありました。
その度にパソコンやデジカメの銘柄など、リュックサックの中に入っているものの中身を詳しく聞いてくるのです。
それだけで彼女の熱心さが伝わってきます。
こんなに熱心に探してくれているのだから、リュックサックが出て来なくてももう仕方がない。そういう気にさえなりました。

 「見つかりました。中身の確認をしていたのですが、中身が一致しました。いま手元に届いていますから」
 最後の電話で彼女はそう言ってくれました。
「ありがとうございました。これから取りに行きます」
 奇跡としか言い様がありません。本当に助かりました。彼女もホッとしたようでした。

 どこの国にでも親切な人はいるものです。昨日、JTBの中国人社員が残っていなければ、彼が義務的な男で自分は明日休みだからと引き継ぎをしてくれなかったら、きっとリュックサックは出て来なかったに違いありません。
「奥さんが守ってくれたのよ」
友人もそう言ってくれました。
本当にそうだと思いました。
異国の地に1人残されたら堪らん、と妻も思ったに違いありません。
 ありがとう。
皆に感謝です。私を励ましてくれた友人、JTBの現地社員の方々ありがとうございました。
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by kurino30 | 2005-11-04 07:46